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日本人は何を考えているか分からないとか、意見を言わないから張り合いがないなんてよく言われますよね。
外国人に話しかけられると、シンプルな質問をされているだけなのに笑ってごまかしてしまったり首をひねって結局何も答えなかったり・・・。
筆者は生粋の日本人ですが、こういう光景を見るたびに昔から不思議でたまりませんでした(いまではそれがなぜなのか理解できますが)。
質問に対する答えは持ち合わせていなくとも、人間相手のコミュニケーションなのだから普通になにかひとつくらい言うことがあるだろうに、と、非常にじれったく思っていたのです。
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今回は、筆者が日本の内側と外側双方から長年注意深く観察してきて導き出したその理由と、上手な対処法をまとめてみました。
インターネットや本などチェックしてみてもなかなか的を得た答えを提示しているものがありませんでしたので、手前味噌ですが結構レアな内容の記事となっているはずです。
ですから上手に外国人とコミュニケーションを取りたい、と思っている人はぜひ目を通して、できれば実践してみてください。
その前に、西洋人と日本人の間のどんな種類のコミュニケーション問題にもついて回る、前提の前提について書いておきます。このことを論理的に理解できているだけでも、ある程度混乱を防ぐことができると思います。
西洋社会とアジアではベースとなる知識の背景が違う
互いに互いの文化に対する素地のない西洋人とアジア人のコミュニケーションは、どうしてこうも食い違うのか。筆者にとって長年の疑問でした。
これは西洋人同士、西洋人と日本人、日本人同士、西洋人と西洋の文化背景に通じた日本人などいろいろな組み合わせの会話を聞いてきてわかったことですが、スムーズな会話を成り立たせるための大前提となる知識が、そもそも西洋人とアジア人ではまったく異なるのです。
もっとも大きな垣根となっているのは、宗教的背景と哲学的背景です。
「えっ?!外国人と宗教や哲学の話なんかしないけど」と思うでしょうか。いえ、誰でも知らずにしています。
というより、ほとんどの思想の背景にこれらの2つが絡んでいるため、避けて通ることができないだけです。
例えば大学の文学部などに入学すると、1年生の時点で西洋哲学の源流となったギリシア哲学やキリスト教の基礎的なことなど、その学問分野に関連した形で必ず学ぶことになるかと思います。
まずそこをきちんと理解しなければ、西洋に関わるおよそすべての学問が片手落ちで終わってしまうからです。
日常レベルでも同じことが言えます。例えば西洋人と恋愛話をしているとき。日本でも貞節や純潔は明治維新以来、「キリスト教的」価値観が浸透しはじめてからは一般的になっていますが、未だに昔の名残で浮気や不倫などというのは比較的おおらかに受け止められる傾向にあると思います。
もちろん社会的には糾弾されますが、「浮気は男の甲斐性」などという言葉がまかり通っていたり、かの有名な「アシュリー・マディソン」という不倫相手募集サイトが日本ではほとんど人気にならなかったなど、比較的ちょっとした火遊びに困ることはない社会ですよね。
だから西洋人が夫に一度きりの浮気をされて、100%離婚だと息巻いていたりすると、日本人はそのくらいで離婚してしまうのか、と人によってはつい思ってしまったりするわけです。
またそのように潔癖に白黒つける文化というのがそもそも、キリスト教的・西洋哲学的です。
日本人ならどちらもアリかな、なんてふんわり受け止めるために曖昧さを許容しますが、論理学を生み出した西洋哲学的文化の中ではそれは許されません。なにか質問を受けたらイエス/ノーに客観的な理由をつけて回答するのが正しいとされるからです。
自然に対する姿勢を見てみても、例えば日本人の庭造りはありのままを邪魔しない、より自然に人の手を加えない状態を美とします。
一方で西洋では手を加えまくって切りそろえ、整列させ、人工物を置き、水を上空に向かって噴射させますよね(噴水のことです笑)。
これは非常にデカルト的です。自然は人間の下位にあり、人間が支配し管理すべきものという考え方です。
これらの考え方はあまりに長く先祖代々受け継がれてきているため、もう意識できないレベルにまで浸透しており、私たちの文化的な特徴を定義しています。
ここまで見れば、日本人の意識がスペクトラム的であるのに対し西洋人はコントラストと、まったく対局にあることがよくわかりますよね。
宗教と哲学と芸術と貞操観念と文化と・・・他にもそれぞれがすべて地続きとなって、私たちの日本人として、あるいは西洋人としての基本的なあり方を傾向づけているのです。
というわけで物事に対するベースとなる理解がこれだけ違いますから、西洋人と日本人の間で受け答えがちぐはぐになっても、ある意味当然だと言えるでしょう。
ここまでで、大前提としての背景の違いがだいたいお分かりいただけたでしょうか。
細かく言えばもっとたくさんの例を挙げられますし、もちろん多様性のある現代ではそんな単純に二項対立で語り尽すことは不可能です。
ただ基本的な部分は、筆者が上で書いた通りだと思います。どちらが良いというのでもありませんが、この記事のテーマであるコミュニケーションの問題が起こったときに対処する・理解するための情報としてはこれから大いに参考になるはずです。
それでは次の項からは、それらの違いに具体的にどう対処すればよいのかについて書いていきます。これらはおおむね、西洋人とのコミュニケーションの中で日本人側が妥協できる部分とその方法、というとらえ方が基本になると思います。
1.黙りこまない
外国人と初対面やそれに近い状態のときの会話で多くの日本人がやってしまいがちな失敗です。
日本人同士の会話の中で片方が黙り込んでしまうというのは、責められているのでもない限りほとんど見かけない気がするのですが、外国人を相手にするとやってしまっている人が結構います。
外国人からすると、これが一番困るようですよ。
筆者の夫もそんな場面に多く遭遇したそうで、彼いわく日本人は「間違えたり不躾なことを言ってしまわないか恐れるあまり、黙ってしまうのではないか」とのことでした。
そうだとしたら、相手は実際そんなこと気にしていませんから、とてももったいないことですよね。
そんなときは返答に困っても、素直に頭にあることを言ってしまうことです。本当に失礼なことだとしたら口に出さないくらいの配慮はあるはずですから、そうでないなら思っていることをなんでも伝えてみるのは非常に大事なことです。
口に出してみて、誤解されているようなら、説明すれば良いだけのことですから。
特に西洋人は言葉によるコミュニケーションを重視しますから、英語が上手でなくても単語が出てこなくても、根気よく話を聞いてくれるはずです。また相手も理解しようと集中しますし、最終的には同じ人間同士、なんとなく言いたいことは伝わってしまうものです。
誠意を持って会話の相手をしてくれている、ということが、彼らにとっては最も大事なことだということを、覚えておいてください。
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2.相手の話に興味を持つ
外国人に話しかけられたときに緊張して、うまく正しく答えることばかりに気を遣わないでください。
むしろ相手の話を聞くことに集中していれば、自ずとそれに対するあなたの意見は頭に浮かぶはずですから。
相手が外国人だという事実にばかり囚われすぎると、そのコミュニケーションの本質を失ってしまいますし、相手もちゃんと聞いてもらっていないと感じてしまうでしょう。
普通に自分の友達との会話を楽しむように、相手の話に耳を傾けてみてください。返答など後まわしで良いので、とにかくまずは相手が与えてくれる情報を楽しむ、これに尽きます。
3.まず感情を表現する
外国人と会話をしていて、返答に詰まったらどうすればよいでしょうか。
まずは相手が投げかけてきた言葉やトピックに対してあなたが最初に持った感情を、言葉にしてみましょう。適切な言葉が思い浮かばなければ、表情にして出すだけでも良いかもしれません。
会話をするということは、情報を共有しようとする目的か、共感を示してほしいかのどちらかです。
感情を表して共感すれば、その感情によってあなたの中に思い出やそれに伴う別の感情が共起されるかと思います。そうしたらまたそれをよすがにそのトピックに関係するエピソードや経験からくるアドバイスなど、相手に新たな情報を提供することで会話を広げることができるというものです。
また感情表現が豊かな人ほど相手に垣根を感じさせないといいますから、一石二鳥のトリックですね。
4.論理について学ぶ
普段から西洋流に、ある答えとその理由をセットにして考えるクセをつけると、会話を上手に組み立てる良い勉強になります。
西洋人と話すと、回答よりもたいていその根拠の方に興味を持たれますから、イエスやノーと言っただけでは会話は終わりません。
日本人はその点突き詰めないことも多いので、なぜ?と聞かれたときにうまく言葉が出てこない傾向にあります。
逆に西洋人は、聞いてもないのに必ず根拠を話します。それが会話の要だからです。小さな子供でさえそんな話し方をしますから、やはり染みついているのでしょうね。
会話の中できちんと根拠を述べられるだけでもまずぶっきらぼうな印象を持たれなくなりますし、自分の考えを言える人、として尊敬されるでしょう。
言葉ができないからといって突っ込まれないよう最低限のことしか言わないと、返って人柄が見えないと敬遠されがちです。ですからせめてイエス/ノー+その理由のセットで会話するというポイントは押さえておきましょう。
これができればかなり違うはずです。
5.どうしても意見がなければ、一般的な話をする
とくに欧米人に沈黙恐怖症が多いと言われているように、彼らは会話を間断なく言葉で埋め尽くします。日本人同士ならば、多少の間なら不自然に感じることはないですが、西洋人の場合それを非常に居心地悪く感じる傾向があります。
ですから意見を求められたり会話をするなかでトピックに対してなにも言うことがないと感じた場合、代わりに一般的な話をすると良いでしょう。
自分は経験がないのでよくわからないけれど、一般的にはこうですよ、といった話し方、あるいはそんなときは日本人ならこうします、というように。
ちょっと責任逃れしているような感じですが、とりあえず一般的な話なら相手も返しやすいですし、わからない、と言って黙ってしまうよりは何倍もマシだということを覚えておきましょう。
6.得意分野を持つ
そもそもオールラウンドに会話をすることが苦手、という場合は、1つでも良いので自分の得意分野を持ちましょう。
他のことではうまくコミュニケーションできなくても、例えば自分の趣味周辺の話ならできる、というだけでもあなたのキャラクターは伝わりますから、とても会話の役に立ちます。
日本人は無趣味な人が驚くほど多く、とくに男性からは趣味は仕事、という言葉も頻繁に聞きます。それ自体は良いのですが、前にも言ったとおり西洋人は具体的なことを必ず聞いてきます。
趣味が仕事の場合で予想される質問は、どんな仕事なのか、その仕事の具体的にどこが楽しいのか、といったところです。
しかも相手が知りたいのは達成感とか充実感がある、といった抽象的なことではなく、あなたが「実際になにをしているとき」その達成感/充実感を感じるのかという部分です。
意外にこの質問をされて言葉に詰まる日本人は多いです。
趣味とは西洋人にとってはストレスなく、心から純粋に楽しめることですから、その趣味の内容を問わず、そのことを語るときにあなたが生き生きとした知性のきらめきを発するようなことである必要があります。西洋人にとってはそれこそがその人特有の魅力に映るからです。
あなたにとってそれは何で、どんな風に人生を豊かにしてくれているか語ることができるでしょうか。
7.欧米男性相手の恋愛駆け引き
コミュニケーションの種類の中でもっとも難易度の高いもののひとつが、恋愛における駆け引きではないでしょうか。
西洋では日本人のように「好きです、付き合ってください」から交際が始まるということは稀ですから(状況によってはあり得ますが)、お互いに押したり引いたりしながら間合いをはかりつつ相手を品定めします。
ときには同時に複数の相手とこれを行いますから、駆け引きの上手い・下手で最終的な成果が大きく変わるということがよく起こります。
互いに最初から強く惹かれあった場合や「駆け引きナシ」と敢えて宣言している場合(たまに聞きます)などを除いては、恋愛中の駆け引きはある程度必要と言えるでしょう。
詳しくは改めて記事にしますが、当然ここでも上述したような会話の上手さや魅力のアピールがものをいいます。
言ってしまえば、それさえできていれば自然と外国人との間合いも取れるようになってきます。
細かいテクニックはさまざまありますが、それらが当てはまる確率ってせいぜい30%くらいではないかと筆者は思います。要するに、テクニックだけで関係を思い通りにすることはほぼ不可能だということです。
それよりはシンプルなコミュニケーション能力を磨き、外国人の異性を惹きつける魅力的な会話に徹した方が断然効率が良いと思います。
自然な魅力を発散している人のところには、何もしなくても人は集まってきますからね。
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というわけで、外国人との会話のキモ、だいたいお分かりいただけたでしょうか。
もっとも重要なのは自然体でいることと、自信です。
最初から自分の言っていることを理解してもらえないんじゃないかと消極的になったりせずとも、相手も人間ですからきちんと酌んでくれます。
まずはちゃんと興味を持って相手の話を聞いてみること、疑問に思ったら素直に質問してみること(日本人は質問が苦手ですよね)。逆に質問されることによって相手が新たに何かに気付くということは多いですし、コミュニケーションに深みが出ますから、積極的にしてみましょう。
とにかく気負わず、友人と軽いおしゃべりをするのと同じ気持ちで会話をしてみることをおすすめします。
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